スマートフォンの普及が広がるなか、女性をターゲットにした応用ソフト(アプリ)が注目を集めている。なかでも人気なのは、スマホのディスプレー側についているカメラで自分を撮影して“診察”する美容アプリだ。いつでも美しく、若々しくありたいと願う女性をサポートするアプリに迫った。
内蔵カメラで顔を撮影すると「若く見られる可能性」の数値とアドバイスが表示されるのは、花王(東京都中央区)がアイフォーン向けに無料で提供している「若顔診断」だ。同社の化粧品ブランド「ソフィーナ プリマヴィスタ」のホームページで公開している機能をアイフォーン向けにリニューアルしている。パソコンで利用するには顔写真の画像ファイルをアップロードする必要があったが、スマホではカメラで撮影するため手軽に体験できるようになった。
同社の雑賀麻美さんは「研究チームが18歳から39歳までの女性161人の顔写真をすべて同じ輪郭になるよう画像処理し、目などの顔の部位をすべておなじものに置き換えて比較した。若々しい印象を与える肌がどのように光を反射しているのか分析し、数値を出す基準にしている」と仕組みを語る。“診断”している最中、カラーの顔写真がモノクロ表示になるなど本格的に思えるが、「実は演出。モノクロ表示になるころには分析が終了している」(雑賀さん)という。
化粧品通販のドクターシーラボ(東京都渋谷区)がアイフォーンとアンドロイド向けに提供するのはエンターテインメント色を強めた美容アプリ「顔面女子力」。スマホの内蔵カメラで顔を撮影して独自基準で点数を出すのは「若顔診断」と似ているが、ユニークなのはアドバイスだ。言い寄ってくる男が無職や貯金のない人ばかりだったらどうする?という辛辣なコメントや、女子の顔じゃない、という激辛批評など、美の向上心と危機感を沸き立たせるメッセージが並ぶ。同社マーケティング部の西井敏恭さんによると「30代の女性スタッフがほぼ一人でメッセージを考えている」。西井さんは「診断結果の点数はランダム要素が多くレジャー向け。コンパで使えば盛り上がるのでは」と美容以外にも利用の幅が拡がることを期待している。
資生堂が無料でアイフォーン向けに提供している「SHISEIDO ビジン道場」は、顔写真を取り込んでテーマごとに理想的なメークをシミュレーションできるアプリだ。「インテリビジン」「大和撫子」などのテーマごとに髪型が用意されており、画面ではかつらを被っているように表示にされる。顔の輪郭や目や鼻の位置の認識は手動行うようになっており、同社の清水孝志さんは「いかに簡単に、かつ正確にという部分にはこだわりました」と自信を見せている
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